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「石の上にも三年」は英語で?英・米で意味が異なることわざとその理由

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日本語には「石の上にも三年」という諺があります。冷たい石の上でも三年座っていれば暖まってくる、我慢強く辛抱すれば必ず成功することのたとえとして用いられますよね。ではこの「石の上にも三年」は英語ではなんというのでしょうか?

 

 

 

"a rolling stone gathers no moss" 

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画像: English Proverbs Center

日本語の「石の上にも三年」は英語で "A rolling stone gathers no moss" と表現されます。直訳すると「転がる石に苔むさず」となり、日本語の「石の上で辛抱すれば成功する」という意味とはは反対に「転がっていては苔 (成功) は得られない」ということを表しています。

 

ところが興味深いことに、この"A rolling stone gathers no moss"という表現は2つの異なった意味を持ち得るのです。鍵となるのは"moss" (苔)という言葉。この苔の捉え方によって「転がる石」がプラスの表現なのか、はたまたマイナスの表現か、大きく変わってしますのです。

 

"moss"(苔)は良いもの?良くないもの?

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日本の「石の上にも三年」と同様に、じっと忍耐することが美徳とされるのがイギリスでの考え方になります。イギリスでは、次々に職や住居を変える人は、人生で成功せず、お金も貯まらないとされ、「辛抱して頑張る」ことが成功を収めることにつながるとされます。この場合「苔」は「じっと耐えることによって手に入れることのできる成果」であり「良いもの」なのです。つまりその苔を得られない"a rolling stone (転がる石)"はマイナスのイメージを有することになります。

 

一方で、「石の上にも三年」と全く逆の解釈がなされるのがアメリカでの表現。アメリカではイギリスでの考え方とは対照的に、より積極的に活動し、よく職を変える人がキャリアアップをし、成功を収めると考えられています。つまりじっとしていることは怠けることであり、古臭いアイデアばかりで苔が生えてしまう、だから常に行動し、新鮮な考え方を持った人間でなければならない、というのがアメリカでの"A rolling stone gathers no moss"なのです。この場合の苔は「良くないもの」。つまりそれを寄せ付けない"a rolling stone"は活動的な人を表現するプラスの表現になるのです。"A rolling stone gathers no moss, but it obtains a certain polish (転がる石は苔を生やさないが、磨きがかかる)"という言葉もあり、転がることによって経験を得ることができることを表現しています。

 

変わりつつある「石の上にも三年」の解釈

一般的に日本での「石の上にも三年」の解釈は先ほどから述べているように「辛抱強く頑張ることで成功が収められる」という意味で用いられています。しかしながら、現代の日本において「辛抱=良いこと」なのかどうかには疑問が残ります。今まで日本人は必死に働くことによって成功を収め、日本はその労働力を糧に成長してきました。しかしながら近年、終身雇用や年功序列の雇用形態を取らない会社が増え、実力主義や成果主義を取り入れた会社が増えてくるなど、自分から積極的に行動し、常にフレッシュなアイデアを掴み、発信していく人がどのような場においても活躍を収めていくという風潮が感じられます。そんな社会の中で石に座っていては時代に取り残されてしまうのではないでしょうか。今後日本にさらにアメリカ流の考え方が入ってくることによって、「石の上にも三年」という諺はマイナスのイメージを帯びてくるのかもしれませんね。